創業95年のセレクトショップを秋田県を中心に運営しています。

311(東日本大震災)のあと、余計なものを断捨離したくなり、1日1食または食べないという生活を1年続けました。20㌔ほど痩せて顔も体も骨っぽくなりますと、会社は丈夫かと心配され、社員さんと家族に呆れられ、15㌔の米袋を持ち上げてよろめき、社会不適格寸前で終わりにしました。この極端な生活のおかげでカラダが変化しました。新鮮な食べ物だと力がみなぎるのに、加工した多くの食品を食べるたび、体がドヨーンど重くなる体質に変わってしまったんです。食べるものを選ぶようになり、食材に申し訳なくて困りはて、その道の先生がたを訪ね歩いたところ、「考えようによっては貴重なカラダを手に入れたのかもしれないのだから、世の中のお役に立てるのがよろしいでしょう」とお告げのようなメッセージをいただいてしまいました。良いか悪いかはさておき、その言葉にうっかりと乗っかり、服しか知らないアパレルおやじが、未経験の食品開発を始めてしまったんです。

 

きっかけは、白神こだま酵母(日本初の天然パン酵母)の発見により文部科学大臣賞を受賞された高橋慶太郎先生との出会いでした。先生は特異体質となった私の体に興味を持たれ、一口食べて酸化しているかどうかがわかるこの体を一つのセンサーとする共同実験がスタートします。具体的には収穫直後の農産物に、温度や湿度や酸素濃度などの刺激変化を繰り返し与え、食材の中の酵素を動かして、保存性、旨味、糖度、等を引き上げるという実験です。

 

最初に取り組んだのは小豆です。小豆は抗酸化性に優れ、農作業の疲れとむくみを取る食材として日本中で大事にされてきました。慶熟実験を繰り返し、豆自体の糖度、旨味、保存性を大幅に上げることに成功します。その結果、なんと砂糖の量を従来の1/3に減らしても十分に甘い餡子を作ることが出来るようになりました。昨年より、県内の無農薬志向の農家さんたちと一緒に在来種小豆の契約栽培を始めました。「秋田小豆の里づくりプロジェクト」とたいそうな名前をつけまして毎年作付面積を増やしていく予定です。

この製法の長所は、鮮度と保存性が高まることにあります。一般的な熟成は、分解による老化現象を言いますが、その逆の若返り(アンチエイジング)現象を起こすことから、「慶熟浄穣」製法と名付けさせていただきました。

 

これからもカラダが慶ぶ様々な慶熟食品を開発してい参りますので、どうぞご期待ください。

 

                         (株)タカハシ

                          代表取締役 高橋文柄